健康被害の心配は不要? 電磁波の影響
◆電磁波の影響・人体への害についての公式見解
電磁波は人体にどんな影響があるのでしょうか? 一部で問題視されているように、循環障害、代謝障害、炎症、がんなどの腫瘍の原因となるのでしょうか?
教科書的には病気の原因は遺伝因子と環境因子に分けられます。電磁波は環境因子のひとつと言えるでしょう。
理論的に考えると、身の回りの誘電を起こしている電気機器と同じように、人体にも誘電が起きていることになります。しかし、生体自体が心臓や筋肉で作っている電気よりも影響は小さいと推定されます。
電磁波の影響についての公式見解は、世界保健機関の外部組織である「国際がん研究機関(IARC:International Agency for Research on Cancer)」から出されています。
IARCでは電磁波(電波)という表現は使わず、「超低周波磁場」と呼んでいますが、これは発電所や高圧線、電線、コンセント(ソケット)、コード、電気製品から出ている電波と同じ意味です。
これら超低周波磁場の発がん性に関する情報の確かさについて、Group2Bという位置付けをしています。Group2Bよりも位置付けが高いものが多いので、電磁波に対してそこまで過敏に気をつける必要はないでしょう。
一方で、電磁波のある場所でめまいや吐き気などの症状を訴える人がいるのも事実です。これらを「電磁波過敏症」と読んでいますが、多くの人が認める統一された診断基準はまだ見つかっていません。
これらの訴えをする人が電磁波過敏症かどうか診断できないのが現状なのです。
電磁波過敏症に人に対しては、電磁波の影響を見る実験として、プラセボ効果の逆の「ノセボ効果」(偽薬で不都合な作用が出る)が認められています。
つまり、電磁波の有無を被験者に知らせない状態で、電磁波のない状態にした場合にも症状の訴えがあることが報告されています。
このため、これらの訴えは電磁波を意識するものから起きているのかもしれないが、実際は電磁波による症状ではないのではないかという見解が強いです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170414-00003671-nallabout-hlth&p=2