「始業5分前体操」でスズキに是正勧告…始業前の体操や朝礼は「労働時間」になる?
自動車メーカーのスズキが、始業前の体操や朝礼を労働時間として把握するよう労基署から是正勧告を受けていた。スズキは既に未払い賃金を支払ったという。
SankeiBizによると、是正勧告を受けた相良工場(静岡県牧之原市)では、任意で約5分間の体操を行い、始業後に1〜2分の朝礼を実施していた。
しかし、任意参加ということが伝わっていない部署や、始業前に朝礼を実施していた部署があったという。
これに対して、ツイッターでは「うちの会社は少なくとも20年前からこれだわ」「となると自分の会社も労基違反だな」「始業前の体操、朝礼とか掃除なんて、やってる会社多いよね」などといった反応が相次いでいる。
「該当するかどうか判断するには、それらが使用者の明示または黙示の指示命令により行われているかどうかがポイントになります。
具体的に説明すると、まず、労働者が始業前の体操や掃除などを自発的、任意的に行っているだけの場合は、『労働時間』には該当しません。
自由参加のラジオ体操などが典型です。
他方、使用者によって始業前の体操や朝礼、掃除が強制されているような場合は、『労働時間』に該当します。
例えば、会社の指示や就業規則などによって、それらの参加、実施が義務付けられているような場合です」
「参加、実施を強制する明確な指示や就業規則などがなくても、始業前に体操や掃除を行わないと遅刻扱いとされたり、昇給やボーナスの査定・評価に際して不利に取り扱われるような場合には、
『労働時間』に該当します。このような場合も、労働者は、会社の黙示的な指示命令により、事実上参加、実施が強制されているといえるからです」
今回、スズキは従業員に、始業前の体操や朝礼などの未払い賃金を支払ったそうだ。
「特に始業前の体操や朝礼などは、多数の従業員が集まって行われることが通常です。
そのため、会社が『労働時間』の理解を誤ったまま始業前の体操や朝礼を継続していると、今回のケースのように、
後日、多数の従業員から一度に多額の未払い賃金を請求され、経営に重大な影響が出てしまう可能性もあります。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170810-00006490-bengocom-soci