【主張】国税庁長官 会見拒否を放置するのか
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佐川氏はその都度、「記録は破棄した。面会記録はない」などと詳細な説明を拒み、批判された。会見を開けば、質問が「森友問題」に集中することを忌避したのだろう。誰もがそう思う。
通常、新長官は就任2〜3週間の間に会見を開き、課題や抱負を述べるのが慣例となっている。語りかける相手は、国民である。少なくとも最近十数年の新長官はいずれも就任会見を開いてきた。
では、佐川氏はいつまで人前から姿を隠し続けるのか。時を経ても、「森友問題」から逃げることはできない。自らの口で、堂々と説明できない事柄を抱えたままでは、長官として不適格であるといわざるを得ない。
同情すべきは、人前に出られない長官をトップにいただいた国税庁の職員である。
脱税の罪とは、国を相手取った窃盗や詐欺に等しい。職員らは、そうした不正と最前線で戦う。
その際、「資料は破棄した」「記憶にない」といった文言で反発されることが想像に難くない。すでに同様の批判や抗議が国税庁に届いていると聞く。
内閣支持率が一時、急落したのは、「森友問題」などで十分に説明を尽くさなかったことにも起因している。
安倍晋三首相自身、内閣改造にあたり「反省すべき点を反省し、結果を出すことで国民の信頼を勝ち取りたい」と述べたばかりではないか。
異常事態を放置すれば、国民の信用、信頼を取り戻すことを難しくする。国の基本的な仕事である徴税を、自ら妨げようとしていることにも気付くべきだ。
http://www.sankei.com/smp/column/news/170811/clm1708110001-s1.html