愛知県警が覚醒剤200億円相当押収 県内で過去最大340キロ
愛知県警が今月上旬に名古屋市港区の貸倉庫で覚醒剤約340キロを発見し、押収していたことが、捜査関係者への取材で分かった。末端価格に換算すると200億円超に上り、
一度の押収量としては県内で過去最大とみられる。県警はその場にいた台湾籍の徐正嘉(37)、許栄棋(38)、陳●凱(28)の3容疑者を覚せい剤取締法違反(営利目的所持)容疑で逮捕した。
逮捕容疑では、10月4日、この倉庫で覚醒剤約890グラムを営利目的で所持したとされる。県警によると、徐、陳両容疑者はおおむね容疑を認め、許容疑者は否認している。
捜査関係者によると、「倉庫の中で不審な物音がしている。泥棒かもしれない」との通報で倉庫に駆け付けた警察官が大量の覚醒剤を発見。
覚醒剤はタイヤホイール内に隠され、台湾から名古屋港へ船で運ばれたとみられる。
全体で約1千万回分の使用量に相当する。県警は背後に大掛かりな密輸組織があるとみて捜査している。
国内では2016年5月、沖縄・那覇港に停泊中のヨットから過去最大規模の覚醒剤597キロが見つかり、台湾人の男女らが摘発されたほか、
昨年8月には茨城県内で475キロが押収され、暴力団組員やオランダ人、中国人の男らが逮捕された。
警察庁によると、全国の警察が摘発した覚醒剤密輸事件での押収量は16年が1428キロ、昨年は1073キロで、統計がある02年以降で初めて2年連続で1トンを超えた。
暴力団組員らの摘発が減少傾向にある一方、外国人が増加。昨年1年間で120人に上り、国籍・地域別では台湾人とタイ人が各16人で最多だった。
県警によると、県内の押収量は16年が64キロ、昨年は17キロ。昨年まで10年間の総押収量は205キロで、今回の押収量はこれを大きく上回った。
※●は日の下に立
(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018102490160701.html?ref=rank