【ソウル=境田未緒】日本による半導体材料の輸出規制強化に関し、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は十八日、与野党五党の代表と大統領府で会談し、日本政府に「経済報復措置」の撤回を求め、外交的解決を促すなどとする共同発表文を出した。
政府と与野党は、日本の措置が「自由貿易秩序に反する不当な経済報復」だという点で認識を共有。追加措置を取れば日韓関係を悪化させ、北東アジアの安保協力態勢を脅かすと認識すべきだと発表文に盛り込んだ。
来春に総選挙を控えて与野党は対立しているが、日本の措置には一致団結し、超党派的に臨む構えだ。
会談では、日韓の軍事機密を共有する軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の継続を疑問視する声も。大統領府側は「基本的には維持する」との立場だが、再検討することもあり得るとの見解を示したという。
野党代表らからは、安倍晋三首相との首脳会談や日本に特使を送るよう求める声も出た。
特使派遣に関し、文氏は「無条件ではない」と述べ、早期実施に否定的な姿勢を見せた。
保守系の野党第一党「自由韓国党」の黄教安(ファンギョアン)代表は、韓国最高裁が日本企業に韓国人元徴用工への賠償支払いを命じた昨年十月から、日韓関係への悪影響が予想されていたのに政府が対策を怠ったと非難した。
日本は八月にも、輸出の際の手続きの簡略化などの優遇措置を受ける「ホワイト国」から韓国を外す可能性があり、千品目ほどが該当するとされている。
洪楠基(ホンナムギ)・経済副首相兼企画財政相は十八日、国会の委員会でその影響について「来週までに最初の整理ができるだろう」と述べ、対策を進めていると強調した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201907/CK2019071902000148.html