ヤクザに銃撃されても死ななかったテコンドー協会「男・金原」会長の「血と骨」人生
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/10021445/?all=1&page=1
偉人には少なからず伝説がついて回る。そして現在、テコンドー界の立志伝中の人物にはこんな伝説が流布されている。
「ヤクザに拳銃で背後から2発撃たれたものの、自分で車を運転して病院に行き、何事もなかったかのように社会生活に復帰した」
往時の東映ヤクザ映画を髣髴(ほうふつ)とさせる逸話である。とてもカタギの人間の伝説とは思えないが――。
〈山根明を思い出す!〉
目下、このようにネットの世界は騒然としている。格闘技界に「新星」が誕生したのだ。
全日本テコンドー協会会長の金原昇氏。
1954年生まれの彼は、日本中がラグビーW杯に注目するなか、スポーツ界のもうひとつの「旬な話題」として耳目を集めている。
(中略)
「在日一家の昇さんは、お父さんが土木作業員をやっていて、お母さんは彼が小学生の頃に亡くなっている。貧しい家庭で育ちました」
と振り返るのは、金原氏が生まれ育った松本市に住む親族のひとりだ。
「高校時代は番長をやっていて、上京して喫茶店のボーイなどをやった。そこで、いろいろな人たちと知り合い、金融業のノウハウを覚えたんです」
その後、松本市に戻った金原氏は金融業の他に、フィリピンパブや韓国クラブなどの水商売を手広く行う、地元では有名な「マキシムグループ」の代表の座に収まる。
「金融業と言いますが、まあね、ズバリ高利貸しですよ」(同)
金貸しをしながら、韓国クラブやフィリピンパブを展開……。「その筋」と無縁でいるのは難しかったに違いない。実際、松本市のあるスナックのママは、
「金原さんは昔、ヤクザさんと一緒に飲みに来ていましたよ」
と証言し、先の親族も、
「そりゃ、高利貸しやってたんだから、ヤクザと接点がなかったはずはないでしょう」
こう認める。そこで生まれたのが、冒頭の「拳銃伝説」である。松本市やテコンドー界で広く知られたこの伝説には、さまざまな尾ひれがついていて、
「実は撃たれたのは4発」
「どこの組に撃たれたのか、決して口を割らなかった」
「撃たれたことを、恥ずかしがるのではなく自慢げに話していた」
などと、人によって語るディテールは異なるものの、いずれも金原氏が「その筋」の人から拳銃で撃たれたという点では一致している。弥(いや)が上にも、その真偽が気になるところだが、
「昇さんが撃たれたのは事実ですよ」
と、先の親族が衝撃の告白をする。
「30年くらい前かな。現場はフィリピンパブの前でした。当時、ヤクザにみかじめ料を払うのはやめようという動きがあって、昇さんもそれに同意した。
一方で、高利貸しとしてヤクザと接点がないわけないから、ヤクザからすれば、『何なんだこの野郎』ってことになって狙われたわけです。弾は腕を貫通して命に別状はなかったと聞いています」