年金を受け取り始める年齢を75歳まで繰り下げ可能にするための年金改革関連法案が、14日の衆院本会議で審議入りすることになった。
所管する厚生労働省は新型コロナウイルスの対応に追われており、省内には法案の審議を先送りすることで、
国会対応に割く人員を新型コロナ対策に振り向けるべきだとの意見もあったが、当初の想定通り4月の審議入りが決まった。
10日の衆院議院運営委員会の理事会で与野党が合意した。年金を受け取り始める年齢は今は60〜70歳の範囲で選べる。
成立後、75歳から受け取ると65歳で受け取り始める人と比べ、年金は月額で84%増えると厚労省は説明する。
ある厚労省幹部は「人手が足りない。国会対応に割く人を少しでもコロナ対策に回してほしい。法案は先送りできないのか」と嘆く。
新型コロナの対応では、緊急事態宣言の対象自治体との調整や、医療現場の必要な資材の確保など課題が山積みだ。
さらに法案審議が始まれば、国会答弁の作成などに人員を割く必要が出てくるからだ。
とはいえ、政府は年金法案を今国会の重要法案の一つと位置づける。別の厚労省幹部は「コロナだから『全部自粛』というわけにはいかない」。
与党・自民党幹部も「会期も限られている。先々の国会日程を考えると、後ろにずらすことはできない」と話す。
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