反米で接近 中国とイランが25年間の貿易、軍事協定検討
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2020年7月27日 06時00分
【カイロ=蜘手美鶴、北京=中沢穣】米国との対立をともに抱える中国とイランが、経済と軍事面でさらに距離を縮めている。
両国が協議を続けるパートナーシップ協定について、米紙ニューヨーク・タイムズは25年に及ぶ貿易・軍事などの包括的な内容になると報じた。
締結に向けたハードルはなお高いとみられるが、「反米協定」ともいえる内容が現実になれば、両国と米国とのさらなる関係悪化を招く恐れがある。
◆イラン保守派は反発「秘密取引」
こうした動きに対し、外国との協力に否定的な保守強硬派が反発。
アハマディネジャド前大統領は6月下旬、協定を「疑わしい秘密取引」と一蹴し、「25年もの秘密合意は認めない」と批判した。
ザリフ外相は議会での演説で「信念をもって中国と交渉している。秘密はない」と説得を図るが、協定締結には保守強硬派が多数を占める議会の承認が必要で、まだ容易ではない。
◆市民も警戒感、一方で歓迎の声も
市民の間にも中国への警戒感はある。
テヘラン在住の50代男性は「中国に原油を奪われることが心配だ」と明かす。
だが一方で、30代男性は「制裁によってすべてが苦しい。
中国企業がイランで開発を進めるのは悪くない」と、協定を容認する考えを示した。