――25日のヤクルト戦開催の是非は
岡田教授 陽性判定の選手に加え濃厚接触者、及びそれに近いとされる選手たちすらゲームから外して阪神は対応した。ウイルス学的にはまったく問題ありません。戦力ダウンも覚悟して計19人も選手を入れ替えた。妥当性の高い判断だと思いますよ。私は評価します。
――選手同士の外食の場で感染。批判の声も出ているが
岡田教授 感染者が少ない広島や名古屋に限り、月に一、二回のみの外食。それを責める気になれません。選手たちも息が詰まるでしょ。感染症対策はオールオアナッシング、0―100で考えられるものではない。コロナとの戦いはまだまだ続く。「一歩も出かけるな」という考え方では長続きしない。人々のメンタルや生活、経済活動も考慮しなければ。
――「選手同士の会食は4人まで」という球団の内規を破り、8人で食事に出たことも問題視されている
岡田教授 4人も8人も大差ありませんよ(笑い)。(大阪府の)吉村知事が7月に「5人以上の飲み会」を府民に自粛するよう要請したこともありますが、そこに科学的な根拠はありません。
――3月の藤浪らの感染に続き「また阪神か」という声も出ている
岡田教授 嗅覚異常というわずかな体の異変を察し、感染に気が付いた藤浪選手の姿勢は立派だったと今も思っています。今回の発端≠ニなった浜地選手も軽度の頭痛、倦怠感から検査に至ったと聞いています。球団サイドが丁寧に選手たちの体調をケアしてきたからこそ、このタイミングで阪神は感染者の発生に気付けた。私はむしろ今回の阪神の対応を評価しています。「誰が一例目か」という言い方は絶対によくない。感染者に罪を背負わせることはあってはならないことだと思います。
――自身の白鷗大の教え子、大山もチームに在籍。心配する気持ちも
岡田教授 今はつらいと思う。でも今は自分にできることに集中してほしい。人にはできることできないことがあるのだから、と伝えたいですね。今は彼にしかできないことに集中してほしい。