滋賀県愛荘町東出のアパートで昨年10月、無職岡田達也さん=当時(25)=が家人から食事を制限され、繰り返し暴行を受けて殺害されたとされる事件で、無職小林久美子容疑者(55)らが先月25日、殺人容疑で逮捕され、10日が過ぎた。
県警は、小林容疑者らが生活費を払えなくなった岡田さんの心身を継続的な暴力などで支配した末、殺害したとみて、詳しい動機や背景を調べている。
岡田さんは死亡時、身長174センチに対し体重は30キロ台で、全身に金属棒などによるあざがあったという。
なぜ、岡田さんは逃げなかったのか。県警によると、アパート内では監禁や拘束された状態でなく、一人で買い物に出ることもあったという。
やせ細った姿で小林容疑者と外出する様子を見かけた近所の女性は「夫婦にも恋人同士にも見えなかったが、無理やり同行させられているようでもなかった」と振り返る。
県警の説明では、小林容疑者は、過去の婚姻時の姓や通称から周囲に「福田あいり」と名乗っていた。10年ごろには愛荘町長野のアパートで、別の同居人らと最大9人で暮らしていた。
11年春には、同居人男性(33)に十分な食事を与えず、ほかの同居人3人とともに鼻の骨を折るなど全治6カ月のけがを負わせたとして、今年11月、傷害容疑で逮捕された。
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