戦中も戦後も精神科病院に隔離…PTSDになった日本兵の末路
「『隠されたトラウマ』でも思わず言ってしまいましたが、日本だからこういうことが起きているんです。
例えばアメリカでPTSDの問題に注目が集まったのは、国民がベトナム帰還兵のケアに懸命に取り組んだから。
一方、日本は臭いものにふたをするという体質で、なによりも、
精神障害者の方々それぞれに人権があるということに非常に鈍感ですよね」
ことは戦傷病者だけの問題だけでなく、日本の精神科医療全体の問題でもある。
それを踏まえた上で、ようやく日の目を見た日本兵のトラウマの記録から得られる教訓はあるのか?
「教訓を得ようとするならば、まず自衛隊員のメンタルヘルスの状況をきちんと統計で出すこと。
例えば15年の政府答弁で、海外派遣された自衛官のうち54名が帰国後に自殺していたことが明らかになりました。
その主たる原因はPTSDやうつ病だと思うのですが、情報が開示されない以上、検証すらできません。
だから、とにかく事実を隠さないでほしい。
統合失調症は約100人にひとりが発症しますし、うつ病なども含む精神障害は現在も増え続けています。
それが『自衛隊の中にはひとりもいません』などということはあり得ないでしょう」
現在も政府による公文書の改ざんや隠蔽がたびたび疑われるこの国にとって、情報の開示はもっともハードルが高いように思える。
しかし、それができなければ、同じ過ちを繰り返しかねない。
http://www.excite.co.jp/news/article/Cyzo_227776/