加計学園文書裁判 原告が「黒塗りだらけの議事録」を怒りの公開!
「落胆。あと憤(いきどお)りですね。追加で部分開示があるならまだしも、一行も公開されなかった。このままでは日本の情報公開制度に悪い前例を残してしまいます」
本誌に対して険しい表情で説明するのは、都内在住の翻訳業・福田圭子さんだ。
福田さんは、’17年10〜12月、加計学園が愛媛県今治市に獣医学部を設置する際に文部科学省に提出した設計図面や見積書、理事会の議事録など5点について情報公開請求を行った。すると、開示されたのはほぼ黒塗りの文書(上写真)。納得がいかなかった福田さんは、不開示決定の取り消しを求めて、弁護団のサポートのもと、’18年9月に個人で国を提訴した。
「開示請求した人しか原告になれないと思っていたので、一人でやるしかないって(笑)」
活動資金はカンパと自腹が半々。けっして楽ではない。さらにコロナ禍で、裁判は中断を余儀なくされた。2年半後、5月18日にようやく東京地裁で判決が出た。しかし、結果は「不開示」だった。
「公開が原則の公文書をここまで隠すのはなぜなのでしょうか。不都合な深い闇があるとしか思えません。今治市は夫の故郷なんです。同市の一般会計予算は約740億円ほど。それなのに、獣医学部の新設に対して補助金がキャッシュで93億、さらに評価額が約36億円とされる土地が無償提供されました。これが妥当なのかどうか、私は検証したほうがいいと考えているだけなんです」
福田さんは大田区議を8年務めた経験を持ち、いまは区議時代にはなかなか取り組むことができなかったテーマについて問題提起をしたいのだという。
「政権が変わったら、情報公開についても変化があるかと思ったんですが……。森友学園、加計学園、桜を見る会、河井案里元被告・克行被告の買収事件、この4つの問題の根底にあるものはすべて共通しています。税金の使い道や情報公開制度をいまあらためて考えていきましょうというのが、私の率直な気持ちです」
福田さんは控訴することを決断したという。国との戦いはまだまだ終わらない。
のり弁
https://friday.kodansha.co.jp/article/185044