Q 実現はいつごろ。
A トリチウムや重水素を1億度以上に加熱して一定の密度を保ち続ける必要があります。太陽の中心温度の1600万度よりもはるかに高温で、それに耐えられる容器がありません。その代わりに、磁力で空中に浮かせて閉じ込める方法を模索していますが、これが難しく、十分なめどが立っていません。
本格的な実験に向けては、日本と欧米、ロシア、中国などが共同で国際熱核融合実験炉(ITERイーター)をフランスに建設中です。その成果を基に2050年ごろには実用規模の発電にめどを付けるとされます。核融合発電は昔から、実現まで30年と言われたまま実現せず、「逃げ水」という批判もありました。最近はベンチャー企業の参入など変化も見られますが、決定的に実現が早まる技術があるとはいえない状況です。
Q 日本でも研究しているのか。
A 核融合科学研究所(岐阜県)と量子科学技術研究開発機構(千葉市)がそれぞれ大型の実験装置で、核融合に必要なプラズマの扱いなどを研究しています。ただ、核融合科学研究所の実験装置は来年度いっぱいで本格運転の予算が打ち切られ、より基礎的な研究に方向転換する予定です。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/131486