「主文。原告らの請求をいずれも棄却する」
愛媛県を拠点に活動していた“農業アイドル”グループ「愛の葉Girls(えのはガールズ)」のメンバーだった、大本萌景(ほのか)さん(享年16)の自殺から4年3カ月。
遺族側が、「自殺は元所属事務所のパワハラや苛酷な労働環境が原因である」として、元所属事務所社長らを相手取り約9200万円の損害賠償を求めていた訴訟の判決が、6月9日、東京地方裁判所で言い渡された。
なる直前に、佐々木氏が彼女に対して恫喝したとされる「辞めるなら1億円払え」発言である。遺族が会見で、「本人が生前、友達に話していた」と訴えたことで、ワイドショーはこぞって、これを事実のように取り上げた。
裁判所は、この発言についても「グループを辞めるなら違約金1億円を支払えという趣旨の発言をしたとは認められない」と原告側の主張を退けた。
「むしろ、私たちは出来る範囲で、複雑な家庭環境にある萌景さんのサポートをしていたつもりでした。故人の尊厳に関わることをマスコミの取材や公開の法廷で明かすことにためらいがなかったわけではありません。でも、訴えられた以上はこちら側としても、遺族、とりわけ母親の非を訴えていかざるをえなかったのです」
複雑な家庭環境とはいったい何か。佐々木氏は母親について、こう述べる。
「お母さんはゲームセンターが好きでよく通っていました。萌景さんも、中学生の頃から不登校で、一緒にゲームセンターに出入りしていた。私は二度ほどお母さんに『学校に行かないならば、愛の葉をやめてもらいます』と注意したことがあるんですが、お母さんは『何度も言っているんですが、この子が聞かないんです』と言うのです」
さらに、萌景さんは義父との関係にも悩んでいたという。佐々木氏や他のメンバーたちは、「義父と同居していてストレスを抱えている」「夜も眠れない」などという相談を受けてきた。
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