携帯電話での手軽なやり取りを悪用した犯罪が相次ぐ中、中央大学法学部の男子学生(21)から無料通話アプリ
「LINE(ライン)」で、事業話を持ちかけられた都内の女子大学生(21)が事業への参加費名目などとして、
総額約125万円を支払ったが返金されず、トラブルになっていることが20日、関係者への取材で分かった。
ほかに慶応大生らも被害に遭うなどしており、女子学生は、
架空の投資話で現金を詐取されたとして詐欺罪での刑事告訴を視野に警視庁に被害相談している。
関係者によると、女子学生は学生イベントで知り合いになった男子学生から昨年12月20日、
LINEで連絡を受け、「紹介したいビジネスがある」と誘われたという。
持ちかけられたビジネスは、中国から仲介業者を通さずに携帯電話ケースなどを仕入れて販売するというものだった。
男子学生は「安定して最低でも月に25万円ほど稼げる」と強調した。躊躇(ちゅうちょ)する女子学生に「絶対稼がせる」
「初月で15万円いかない場合、特別に20万円支払う」などと執拗(しつよう)に勧誘。女子学生は5万円を指定の銀行口座に振り込んだ。
このほかにもたびたび現金を要求され、今年1月15日までに計13回、約68万円を振り込んだ。
その間、資金がないと伝えると、「30万円借りてきてほしい」などと消費者金融での借り入れを勧められた。
女子学生名義のクレジットカードも作らされ、計3枚で約57万円を不正に使われていた。
カードの不正利用に気づいた女子学生が、返金を求めたが応じられず、今月17日、警視庁に被害相談。
ほかにも30万円の被害に遭った慶応大生らがいる。
女子学生は取材に「最初は5万円だったら、という気持ちだったが、
お金を催促され続けて考える余裕がなくなった。学費のためアルバイトでためたお金が無くなり悲しい」と話した。
一方、男子学生は「事業のために金を借りたことは事実だが、だましてはいない」としている。
中央大広報室は「個別の学生に関する質問には答えられない」としている。
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