今風呂一緒に入ってる
灯りはロウソク ロマンチック
今日の天気予報は晴れなのに そして晴れてるのに断続的に雨降ってる
俺以外で書き込みしてくれた人にプレゼントあげるよ どう?書き込んでみる?
その日 朝から嫌な予感がしてたんだ
俺はその直感を信じなかった事を今でも心底悔やんでいる
季節は夏 セミが忙しなく鳴きやがる 目覚ましなんか必要ない 茹だるような暑さとセミの鳴き声で目が覚める
俺の朝は熱いシャワーと熱いコーヒーから始まる それは寒い冬でも暑い夏でも変わらないルーティンだ
5…4…3…2…1…
ピンポーン 8時ちょうどいつものタイミングでベルが鳴る
インターホンの向こうには金田 朗が立っている
自己紹介がまだだった 俺は鬼部 嶽胤 28歳 独身だ 皆からは鬼胤(おにたね)と呼ばれている
金田 朗(かねだ あきら)は二つ下の25歳 俺の高校の時の舎弟だ 通称キンタロウ
名は体を表すとはキンタロウの為にあると言えば風貌の説明は無用だろう
いつも何故8時にピンポン鳴らすのかは話が進むにつれて明らかになるので割愛しておく
8時05分俺たちの戦場に到着する これもいつも事だ「何度言ったら分かるんだ 教師が毎日遅刻とは何事だ」教頭が甲高い声で鳴きやがる
俺は自分のポリシーで生きている ポリシーその1 待ち合わせ時間は家を出る時間
就業時間が8時なら出る時間も8時だ 何も問題は無い 一応社会だから社会のルールにも合わしたい だから学校の目の前に住んでいる 学校の門は8時30秒くらいに通ってるから厳密には遅刻じゃない
これって遅刻じゃないよな?そうだろ? えっ違う?
そう俺とキンタロウは教員だ 岡留戸北小学校6年1組組長とは俺の事だ
キンタロウは用務員をしている 名刺に妖夢院と書いてるのには笑った
豆知識
キンタロウはタイムカードを押してから朝の掃除タイムを利用して俺を呼びに来てるセコい奴だ
組長おはようございます
俺の組は学級崩壊とは無縁だ 俺が扉を開けるのを正座をして待っている 開けたと同時にこれだ おはようございます 美しい日本語である
組長でも挨拶は欠かしてはならぬ礼儀だ
グンモーニンエブリボリー
以外かも知れんが俺は帰国子女で英語専任教員でもある
浦島 桃太 こいつの名は覚えておいて欲しい 何故ならこいつは鬼組若頭(学級委員長)で怪奇現象研究会42代部長だからだ
桃太(とうた)は頭脳明晰運動神経抜群喧嘩上等女にもてるが硬派な男 まさに若き俺って感じだ
猿井 貫爾(さるい ぬきじ) こいつは余裕が有れば覚えてくれ 鬼組準構成員(6年2組)で怪奇現象研究会切込み隊長だ
さて
主な登場人物は分かったな
鬼部嶽胤は通称鬼胤 鬼組組長 怪奇現象研究会顧問
金田朗 妖夢院 怪奇現象研究会鉄砲玉
浦島桃太 鬼組若頭 怪奇現象研究会部長
猿井貫爾 鬼組準構成員 怪奇現象研究会切込み隊長
その他はA〜Zの適当表示とする
長い前置きだったが待望の本編は明日まで待て
放課後 朝に感じた嫌な予感を思い出した
自慢する訳じゃないが俺には霊感がある ハッて言えば大概の霊が消える程度の霊感だがな
あっ後 守護霊様が百太郎くらい強いらしい
その俺が嫌な予感がするってよっぽどジャン 無理つうか でもビビってねぇしつうか と一人モジモジしてるとキンタロウの奴が迎えにきた
今日は月に一度の怪奇現象研究会の定例会の日だ マジ言っとくけど俺ビビってないから 念の為先に言っておいた
昔 宿直室として使われて部屋 今はSECOMがやってくれるから教員が学校に泊まる事はない 便利な時代だな
その宿直室が我が怪奇現象研究会の部室として再利用されている
何度も言うがビビってねぇし俺マジで
でも帰ってジグソーやんなけゃなんねーし それ程暇じゃないしー
「胤さん何してんスか みんな待ってんスよ」 何で俺が定例会なんて参加せなアカンやねんでんねん
怖くはないけどジグソー完成したいからでんねん行きたくなかとよ
部室のドアを開ける 窓は段ボールを当ててガムテープで目張り、厚手の遮光カーテンまでしてある
つまり真っ暗闇にしてあるのだ その部屋に構成員もとい部員総勢5名が正座をして待っている
俺が来ると全員で威勢の良い挨拶をきてくる 俺は上着とシャツを脱ぐ 特攻隊長貫爾は晒しを巻く役目を兼任している グッと気合を入れた巻き方をしてくるぜ
晒しを巻き終えると若頭桃太が特攻服を羽織ってくれる 俺は胸のポケットから鉢巻きを取り出し頭に巻く
「てめぇら!気合いはいってぇーか⁈」 「押忍っ!」
「全開バリバリか⁈」
「押忍っバリバリっス!」
これが集会の始まりだ
キィン乾いた金属音が響く 妖夢院キンタロウの自慢のジッポーに赤い焔が光る 蝋燭に火が灯される
入り口のドアが閉まると外部からの光は一切はいってこない 蝋燭の光だけが頼りだ
部員Aが羊皮紙を拡げる これは我が部伝統の降霊法 エンジェルさんをする為のアイテムだ
ちびっ子が真似するといけないからやり方は割愛する どうしても知りたいちびっ子はお父さんお母さんに聞こう
まぁ今から兎に角これを使った降霊するんだ 今回の降霊の目的は今夜行く心霊スポットを聞く事だ
今日はこの辺にしておくか
また続きはまた明日だ ファンレターは随時受け付けてるからな 夜露敷
全国100万人のファンの皆さん
お楽しみの時間の始まり って言いたいとこだが 今日は朝からお出かけして遊び回って酒もしこたま飲んだ
いくら俺でもビール7杯にワイン2本その他覚えてないは飲み過ぎだ
つう訳でまことに まことに申し訳ないが今夜はお休みだ
また明日に期待してくれ じゃあばよ
すっぽかしてゴメン
ファンのみんな見捨てた訳じゃないよ すまん
エンジェルさんを始めると場の空気が明らかに変わった
昭和は霊が出る時は生暖かい空気になるが平成は冷たくなるんだ これマメな
令和はどうなるはどう表現してくるか楽しみだ
まぁ大分長くなって来てるんで ちょっと端折るよぉー
今夜の目的地が決まったぜ
おっと時間が来たみたいだ 次はいつか約束はやめておこう ではアディオス
目的地は…
おいおいそんな慌てるなって発表はしばし待て 待てるだろ?