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レストラン経営者の悩みにはどんなものがあるのだろうか。今回、The Priceline Groupの一員であるオンラインレストラン予約サイトのリーディングカンパニー、オープンテーブルは、レストラン業界の経営者が今年直面したビジネスの課題についてOpenTable加盟レストランの経営者に意識調査を実施した。
★売り手市場の今年、レストラン業界にもその影響は及んでいた!?
レストラン経営者に今年抱えていた、または抱えている悩み・課題について質問をしたところ、「マーケティング」(20.00%)、「コスト削減・利益の向上」(13.33%)、「売上管理」(6.67%)を押さえ、「従業員の採用」(33.33%)が第1位となった。さらに、「従業員の採用」(33.33%)と4位の「従業員の教育・マネジメント」(11.11%)の回答率をあわせると、約半数(44.44%)のレストランの経営者が従業員に関する悩みを抱えていたことになる。新卒採用の内定辞退率が過去最高64.6%に達した今年、レストラン業界にもその影響が及んだともいえる結果となった。
現在レストラン経営者として活躍している人たちから将来のレストラン経営者へ、最も重要視すべきだとアドバイスしたいことは何かを聞いたところ、最も回答者が多かったのは「質の良い従業員の採用」(27.27%)で、次いで、「従業員の教育・マネジメント」、「マーケティング(集客・販促・広告・PR等)が同率(20.45%)で並ぶ結果となった。上位2位の「質の良い従業員の採用」と「従業員の教育・マネジメント」をあわせると、4割以上(47.72%)がレストラン経営を目指す人にアドバイスすべきは”従業員”に関することであると考えていることが明らかになった。
レストラン顧客の評価・口コミは、「食事」、「サービス」、「雰囲気」、「コストパフォーマンス」などの項目から評価することが多い。しかしながら、レストランの経営者は、レストラン客によるレストラン評価ポイントよりも、もっと根底にある従業員の質、教育、マネジメントに重点をおくべきと考えていることがうかがえる。レストラン顧客の評価・口コミはいずれも、レストランの顔ともいえる”従業員”で左右されている、と経営者は考えているのかもしれない。
★ビジネス成功は従業員とともに作り上げるもの
Q2の質問で「質の良い従業員の採用」、「従業員の教育・マネジメント」と答えた経営者を経営歴別で比較したところ、経営歴10年未満の経営者は、「従業員の教育・マネジメント」(14%)より、「質の良い従業員の採用」(45%)と回答した人が多かったのに対し、経営歴10年以上のベテランは、「質の良い従業員の採用」(8%)より、「従業員の教育・マネジメント」(26%)と回答した人が大きく上回った。
経営歴10年未満の経営者は最初から質の良い従業員を採用することで経営の質を高めようとしているのに対し、経営歴が長いベテランほど、従業員を自らの手で成長させることに重点を置いていることが考えられる。この結果から、従業員の教育・マネジメントを通して質の高いホスピタリティサービスを安定して提供し続けることがビジネス成功のカギと言えるのではないだろうか。
レストラン経営歴10年以上のベテラン経営者からは、「従業員の成長=企業の成長」(レストラン経営歴10年以上、15年未満)、「レストランは人で成り立っているので、より良い料理の提供は勿論のこと、サービススタッフの対応の心地よさでお店は変わる」(レストラン経営歴30年以上)、「良い人材の獲得や育成が重要」(レストラン経営歴30年以上)などのコメントが寄せられた。
また、来年2018年レストラン経営者としてどのような挑戦をしたいかについて聞いたところ、「売上増」、「利益改善」、「利益向上」など業績に関するコメントが多かった中、「人材確保」、「従業員満足度向上」など今年カギとなった従業員に関する課題に取り組む姿勢がうかがれるコメントもみられた。
【調査概要】
調査実施期間:2017年10月13日〜10月29日(日本)
有効回答数:45人
構成/編集部