フィットネスジム運営のRIZAPグループは4月6日、Jリーグの湘南ベルマーレ(神奈川県平塚市)の経営権を取得すると発表した。筆頭株主である三栄建築設計と月内に共同出資会社を設立する。共同出資会社がベルマーレの株式の過半を保有する。RIZAPはベルマーレに役員も派遣する。同社はスポーツ分野へ事業を拡大しており、本業であるフィットネスジムとの相乗効果も見込んでいる。
同日、都内で開かれた記者発表会でRIZAPグループの瀬戸健社長は「RIZAPグループがこれまで培ったトレーニングのノウハウを活用すれば、ベルマーレの結果にコミットできる」と話し、選手の強化やベルマーレの経営基盤の強化など積極的な支援を通じて20年までにJ1リーグ、天皇杯、ルヴァンカップのいずれかのタイトル獲得を成果目標として掲げた。
RIZAPは月内にベルマーレに33.4%出資する筆頭株主の三栄建築設計と、ほぼ折半出資の共同出資会社を設立する。三栄が持つベルマーレ株を共同出資会社に移転するほか、ベルマーレが約1億円の第三者割当増資を実施する。共同出資会社はベルマーレ株の過半数を保有する。RIZAPはベルマーレに役員の過半を派遣する方針で、実質支配力基準によりベルマーレを連結子会社とし、傘下に収める。
RIZAPグループから2020年までに約10億円を拠出して、選手の育成やクラブハウスの充実に充てる。また、RIZAPのマーケティングノウハウを活用し、ベルマーレのサポーターの拡大を支援する。そのほか、引退した選手をRIZAPのトレーナーとして雇用するなど、選手のセカンドキャリアを支援する考えだ。
RIZAPグループは「スポーツ分野」と「フード分野」を今後の成長領域と設定し、19年までに戦略的投資を集中する方針を掲げている。21年3月期には、2分野合計で売上高1000億円以上の達成を目標に設定している。
湘南ベルマーレは17年にJ2リーグで優勝し、18年からJ1リーグに昇格した。選手の強化に充てる資金と経営基盤の安定化を目的に、長期的なスポンサーとして16年に三栄からの出資を受け入れた。記者発表会で湘南ベルマーレの真壁潔会長は「チームが強くなるにつれて目標も大きくなった。今後さらなる支援が必要になると考え、傘下入りを決めた」と話した。
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