国内の高速道路において、最高速度が120km/hに引き上げられる見通しです。世界的に見ても、最高速度を120km/h前後に定めている国が多いのですが、なかでも中国の高速道路では最高速度120km/hのみならず、最低速度が110km/hに設定されているレーンもあります。日本と中国の高速道路では、どのようなところが違うのでしょうか。
世界的に見て高速道路の120km/hは速い? 遅い?
警察庁の発表によると、新東名では2020年度末(2021年3月末)まで、ほかの高速道路でも数年以内に最高速度が120km/hに引き上げられる見通しとなりました。
120km/hという最高速度は、世界的に見てどうなのでしょうか。
車種ごとに走行レーンが決まっている中国の高速道路
日本ではすでに2019年3月1日より120km/h試行が実施されている新東名や東北道の一部区間も存在しますが、高速道路における最高速度は100km/h以下に設定されています。
アメリカは州によって最高速度が異なっています。多くの州は65mphから75mph(112km/hから120km/h)ですが、サウスダコタ州やモンタナ州、ネバダ州は80mph(128km/h)、最高はテキサス州の州道130号線(一部有料)で85mph(136km/h)とかなり高い速度です。
イギリスは乗用車、オートバイ、乗用車ベースのバンなどは112km/h。速度無制限のイメージが強いドイツのアウトバーンも多くの場所で130km/hが推奨最高速度として設定されており、都市部では120km/h、110km/h以下の制限を課しています。
イタリアやフランスなども130km/hが最高となっており、120km/hから130km/hという速度はEU加盟国における高速道路の一般的な制限速度となっているようです。
こうしてみると、日本の最高速度120km/hは欧米に比べても高くも低くもないようで、むしろやっと120km/hになるという印象です。
日本には世界屈指の品質を誇る自動車メーカーが多数あり、高速道路も非常に良く整備されています。そして、人口10万人当たりの交通事故死亡者数は3.1人と先進国最下位レベルで、歩行者事故が多いため高速道路上での事故に限るとさらに下がるでしょう。
それでは、韓国や中国ではどうでしょうか。
韓国ではかつて120km/hの時代もありましたが、韓国在住の知人に聞いたところ現在は引き下げられており、最高速度は原則100km/h(一部区間110km/h)となっているとのことでした。
また、ソウル・釜山間では80km/hから60km/hに引き下げた区間もあるそうです。「自動車1万台」「走行1億km」あたりの交通事故死者数が世界で突出して多い韓国は、引き下げの方向に動いています。
注目すべきは中国の高速道路です。2009年にアメリカを抜いて世界最大の自動車市場となった中国では、自動車の保有台数が2億7千万台(2020年6月末)で、これは日本の保有台数約8200万台(同3月末)の約3.3倍です。
中国の最高速度は「中華人民共和国道路交通安全法」にて2004年より120km/hに設定されていますが、注目すべきは、ほかにはあまり例のない110km/hの「最低速度」です。
車線ごとに走れる車種と最高・最低速度が厳格に定められており、日本で「追越車線」に相当するもっとも左の車線では最高120km/h、最低110km/hで走行しなくてはなりません。
この車線を「貨車(トラック)」が走行することは禁じられており、「客車」「小客車」(日本でいうところの普通乗用車と小型乗用車のイメージ)のみが走れます。
車線が分かれており、また最低速度が110km/hに設定されているので、中国では追越車線をノロノロ走る車は存在しないのです。
世界的に見て高速道路の120km/hは速い? 遅い?
警察庁の発表によると、新東名では2020年度末(2021年3月末)まで、ほかの高速道路でも数年以内に最高速度が120km/hに引き上げられる見通しとなりました。
120km/hという最高速度は、世界的に見てどうなのでしょうか。
車種ごとに走行レーンが決まっている中国の高速道路
日本ではすでに2019年3月1日より120km/h試行が実施されている新東名や東北道の一部区間も存在しますが、高速道路における最高速度は100km/h以下に設定されています。
アメリカは州によって最高速度が異なっています。多くの州は65mphから75mph(112km/hから120km/h)ですが、サウスダコタ州やモンタナ州、ネバダ州は80mph(128km/h)、最高はテキサス州の州道130号線(一部有料)で85mph(136km/h)とかなり高い速度です。
イギリスは乗用車、オートバイ、乗用車ベースのバンなどは112km/h。速度無制限のイメージが強いドイツのアウトバーンも多くの場所で130km/hが推奨最高速度として設定されており、都市部では120km/h、110km/h以下の制限を課しています。
イタリアやフランスなども130km/hが最高となっており、120km/hから130km/hという速度はEU加盟国における高速道路の一般的な制限速度となっているようです。
こうしてみると、日本の最高速度120km/hは欧米に比べても高くも低くもないようで、むしろやっと120km/hになるという印象です。
日本には世界屈指の品質を誇る自動車メーカーが多数あり、高速道路も非常に良く整備されています。そして、人口10万人当たりの交通事故死亡者数は3.1人と先進国最下位レベルで、歩行者事故が多いため高速道路上での事故に限るとさらに下がるでしょう。
それでは、韓国や中国ではどうでしょうか。
韓国ではかつて120km/hの時代もありましたが、韓国在住の知人に聞いたところ現在は引き下げられており、最高速度は原則100km/h(一部区間110km/h)となっているとのことでした。
また、ソウル・釜山間では80km/hから60km/hに引き下げた区間もあるそうです。「自動車1万台」「走行1億km」あたりの交通事故死者数が世界で突出して多い韓国は、引き下げの方向に動いています。
注目すべきは中国の高速道路です。2009年にアメリカを抜いて世界最大の自動車市場となった中国では、自動車の保有台数が2億7千万台(2020年6月末)で、これは日本の保有台数約8200万台(同3月末)の約3.3倍です。
中国の最高速度は「中華人民共和国道路交通安全法」にて2004年より120km/hに設定されていますが、注目すべきは、ほかにはあまり例のない110km/hの「最低速度」です。
車線ごとに走れる車種と最高・最低速度が厳格に定められており、日本で「追越車線」に相当するもっとも左の車線では最高120km/h、最低110km/hで走行しなくてはなりません。
この車線を「貨車(トラック)」が走行することは禁じられており、「客車」「小客車」(日本でいうところの普通乗用車と小型乗用車のイメージ)のみが走れます。
車線が分かれており、また最低速度が110km/hに設定されているので、中国では追越車線をノロノロ走る車は存在しないのです。