善子「かわいいわよね」
ルビィ「そうかなぁ」
善子「かわいいわよ、だって──」
善子「本人と違ってむやみやたらに引っ付いてこないもの」
ルビィ「…………へぇ〜？」
ルビィ「…でもさ」
善子「なに？」
ルビィ「善子ちゃんの寝そべりのほうがかわいいよね」
善子「そうかしら」
ルビィ「うん、だって──」
ルビィ「本人と違っていちいち余計なこと言わないからね」
善子「…………ふ〜ん？」
善子「あっそう、なら抱きつくのそっちにすれば？ 余計なこと言わないんでしょ？」
ルビィ「それは嫌だけど」ｷﾞｭ
善子「なんでよ」
ルビィ「なんでも」
善子「あー出た出たその言葉、あんたお得意の我がままになる一歩手前のフレーズが」
ルビィ「別にそんなことないもん」
善子「あるわよ」
ルビィ「ないから」
善子「じゃあ離れなさいよ」
ルビィ「いやだ」
善子「ほらね？ やっぱり我がまま言ってるじゃない」
ルビィ「……」
ルビィ「これは違うの」
善子「何が違うのよ」
ルビィ「だっていつもやってることだもん」
善子「何それ、習慣だから仕方ないっていうの？」
ルビィ「うん」
善子「はぁーっ…馬鹿馬鹿しいわね」
ルビィ「じゃあ離れれば？」
善子「なんで」
ルビィ「善子ちゃんは嫌なんだよね？」
善子「……別に離れないけど」
ルビィ「どうして？」
善子「どうしても」
ルビィ「ふーん……善子ちゃんはルビィと離れたくないんだね」ﾆｺ
善子「なんでそうなるのよ」
ルビィ「だって、本当は嫌じゃないから離れたくないんでしょ？」
善子「……違うから」
ルビィ「こっちを見て言ってほしいなぁ」
善子「なによ、どこ向いて喋ろうが私の勝手でしょ」
ルビィ「そうだね、でも……」
ルビィ「善子ちゃんの寝そべりちゃんはこっち向いてくれるのになぁ」
善子「……」
ルビィ「善子ちゃんはルビィにそっぽを向くんだね」
ルビィ「あーあ、これならやっぱり寝そべりちゃんのほうがルビィは好きかも、ねー？」
善子「……はぁーっ…これでいいんでしょ」ｸﾙｯ
ルビィ「あっ、善子ちゃんだ」ﾊﾟｧｯ
善子「なんか、あからさますぎて鼻につくわね」
ルビィ「嫌だった？」
善子「……本当に嬉しいと思ってるなら許すけど」
ルビィ「そうなの？ じゃあルビィは無罪だね！」ｴﾍﾍｯ
善子「……いや、ある意味大罪人だと思うけどねあんた」
ルビィ「え？」
善子「何でもないわよ、なんでも」
─
善子「……で？」
ルビィ「え？」
善子「どうするのよこれから」
ルビィ「ずっとこのままじゃダメなの？」
善子「それだと帰れないじゃない」
ルビィ「そうだねぇ」
善子「何を他人事みたいに…ルビィだって帰らないと不味いでしょ」
ルビィ「そうだけど、やだ」
善子「……一応理由を聞いておこうかしら」
ルビィ「善子ちゃんと離れたくないから、帰りたくない」
善子「…まあそんなことだろうとは思ったけど」
ルビィ「分かってるなら一緒にいて」ｷｭｯ
善子「そんなこと言われたって、もう時間なんだからしょうがないじゃない」
ルビィ「……」
善子「ほら、私の寝そべりあげるからそれで我慢しなさいよ」
ルビィ「本物の善子ちゃんじゃなきゃやだ」
善子「あんたねえ…」
ルビィ「それにもう持ってるし、毎日家で可愛がってるし」
善子「…ああそう」
ルビィ「何ニヤニヤしてるの」
善子「いや、してないわよ？」
善子「とにかく私は帰りたいの」
ルビィ「じゃあ一緒に帰る」
善子「そのあとは？」
ルビィ「一緒にいる」
善子「帰りなさいよ」
ルビィ「……」
善子「…ねえルビィ、どうしてそんなに拒むわけ？ 今日は特にしつこいわよあんた」
ルビィ「…………だって」
善子「なによ？」
ルビィ「明日、学校お休みだから」
善子「…………はあ？」
ルビィ「二日間も善子ちゃんに会えないんだよ」
善子「え、なに？ ……それだけ？」
ルビィ「うん」
善子「……帰るわ私」
ルビィ「嫌だよ、なんで帰るの」
善子「どんな理由があるかと思えば、休日で会えないから！？ いや、あんた馬鹿でしょ」
ルビィ「……だって……」
善子「あー面倒くさいわねえ、もう…」
善子「あのねルビィ、別に学校が休みの日でも会えるじゃない」
ルビィ「えっ」
善子「……」
ルビィ「……用事、ないの？」
善子「特にないけど」
ルビィ「…会いに行っていいの？」
善子「なんでそこで躊躇うのかしらね、会いたいなら来ればいいのに」
ルビィ「そっか…良かったぁ」ﾊﾟｯ
善子「……本当、あからさまね」
ルビィ「あっ、ごめんね」
善子「別にいいけど、これで帰れるし」ﾋﾗﾋﾗ
ルビィ「…やっぱり帰っちゃうんだね」
善子「さっきからずっとそう言ってるでしょ」
ルビィ「そうだね」
ルビィ「それなら…ねえ善子ちゃん」
善子「なによ」
ルビィ「手、出して」
善子「……これでいいの？」
ルビィ「ん」ｷﾞｭｯ
善子「……何してるの」
ルビィ「おまじない、明日善子ちゃんに会えますようにって」
善子「……」
ルビィ「……はいおしまい、これでもう心配ないかも」
善子「…これ、効くの？」
ルビィ「わからないけど」
善子「じゃあ、なんでやったのよ」
ルビィ「少しでも安心したいから」
善子「私がいないだけでそれとか、あんた情緒不安定になるわよ」
善子「……でもまあ、そうね」
ルビィ「？」
善子「悪くはないと思うわよ、おまじない」
ルビィ「そっか」
善子「ええ、会えるといいわね」
ルビィ「うん」
─
善子「じゃあまた明日ね」
ルビィ「うん、また明日」
ｽﾀｽﾀ
ルビィ「……」
ﾀｯﾀｯﾀ
善子「……？」
ルビィ「ん」ﾀﾞｷｯ
善子「…っと、何するのよいきなり」
ルビィ「やっぱり一緒に帰ろうかなぁって」ﾆｺ
善子「…ちょっと」
ルビィ「駄目だった？」
善子「ああもう……家に着いたら、ちゃんと帰りなさいよ」
ルビィ「うん、分かってる」
善子「ならいいわ…そうだ、折角だからパフェでも食べに行きましょうか」
ルビィ「じゃあルビィ、善子ちゃんとお揃いのやつがいい」
善子「ふーん、それなら二人で分けて食べましょ、そっちのほうが浮くから」
ルビィ「ケチだね」
善子「乞食がなに言ってんのよ」
ルビィ「……あっ、でもその方がいいかもしれない」
善子「どうして？」
ルビィ「カップルみたいだから」
善子「……やっぱり二人分頼むことにしましょう、そうしましょう」
ルビィ「……善子ちゃんってさ」
善子「何よ」
ルビィ「いくじなしだよね？」ｷﾞｭ
善子「……やっぱり悪魔だわあんた」
|c||^.-^|| 頬が緩んでしまってたまりませんわぁ〜乙ですわ〜
>>1 のよしルビ本当好き
ﾉcﾉ,,`o´,,ﾉﾚ （食べに行くなら）まるもまぜて欲しいずら！
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