
アジア投資銀総裁、日米に参加呼び掛け 「ドア開き続ける」 2017/6/17 19:41 【済州島(韓国南部)=山田健一、北京=原田逸策】
中国が主導して2016年1月に開業したアジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁は17日、
年次総会を開いていた韓国南部の済州島で記者会見した。
金総裁はAIIBへの参加を見送っている日本と米国について「我々はこれからもドアを開き続ける」
と語り、加盟を歓迎する意向を改めて示した。
AIIBは17日に2度目の年次総会の議論を実質的に終えた。
金総裁は記者会見で「加盟承認国は80カ国・地域まで増えた。
AIIBの透明な運営と公正なガバナンス(統治)が信頼されている証しだ」と訴えた。
日米に残るAIIBの運営やガバナンスの透明性への懸念を意識した発言だ。
AIIBは中国を最大の出資国としてロシア、インド、英国、ドイツなど57カ国で発足した。
開業から1年半で加盟を承認された国・地域は4割増えた。欧州、アフリカ、南米などアジア以外にも
参加を積極的に働きかけており、主要7カ国(G7)では米国と日本だけ加盟していない。
AIIBが日米に参加を促す理由は2つある。まず人材の確保だ。
AIIBの職員は100人程度と日米が主導するアジア開発銀行(ADB)の約3千人と比べ少なく、
融資案件の発掘も簡単ではない。開発金融に精通した人材は限られる。
日米が加盟すれば、国際機関で勤務経験のある官僚など、人材確保のルートが幅広くなる。
信用力の補完も狙う。出資国の上位に世界経済1、3位の日米が加われば、国際機関としての信用力は増す。
ただ日本では与党内からAIIB加盟論が出る半面、政府内に慎重論がなお残る。
金総裁は記者会見で、債券発行の前提となる格付けについて「年内に3つの格付け会社から
取得する」との方針を示した。中国系の格付け会社とも協議しているという。
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは5月、中国の長期国債格付けを引き下げた。
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