セックスが尿管結石の自然排出を促進
激しい痛みを伴うことが多い尿管結石。大きさが10mm未満のものについては、負担が小さい治療法として、水分摂取や薬物療法で自然排出を促す方法がとられる。トルコのイスタンブール・メディポール大学の研究グループが行った研究から、
男性では、性交も尿管結石の排出に有効かもしれないことが分かった(Int Urol Nephrol 2017; 49: 1941-1946)。
週3回以上の性交で1カ月後の結石排出率81.8%
研究には、5〜10mmの尿管結石が見つかった18歳以上の既婚男性190人が参加した。参加者は、@標準的な治療(1日1.5〜2L以上の水分摂取、
痛みが生じた際の鎮痛薬使用)だけを行うグループA標準的な治療とともに排尿障害治療薬のタムスロシンを服用するグループB標準的な治療とともに週3回以上の性交を義務づけるグループ --の3つにランダム(無作為)に分けられた。
平均年齢と結石の大きさについては、3つのグループ間で統計学的に意味のある差がなかった。一方、4週後に結石が排出されていた人の割合は、
標準的治療グループが51.5%、タムスロシングループが81.6%、性交グループが81.8%であり、標準的治療グループに比べてタムスロシングループ、性交グループで高かった。
また、性交グループでは標準的治療グループに比べて、痛みのために鎮痛薬を使用した回数が少なかった。
性交により尿管結石の自然排出が促進されるメカニズムとして、研究グループは、生体内で合成される一酸化窒素(NO)に注目している。
NOには血管を広げる作用があり、陰茎の勃起に必要な物質として知られている。
勃起によりNOが増加することで尿管の緊張がゆるみ、排石の促進につながるのではないかと、研究グループは考察している。
http://kenko100.jp/articles/171221004463/#gsc.tab=0