
キタサンブラック引退!「北島三郎」が語る引き際の美学
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171226-00535442-shincho-ent&p=1
競馬界の一年の総決算、有馬記念。今年、その晴れの舞台を最後に、最強馬・キタサンブラックが
惜しまれつつも引退した。馬主の北島三郎自身も一足先に紅白歌合戦や座長公演から身を引いて
いるが、なぜ輝きを残しながら、引退するのか。北島流“引き際の美学”とは。
「キタサンブラックは今なお伸び盛りで、周囲からは来年もまだいけると言われます。私自身も、
もう一つぐらい重賞レースで勝てるかもしれないと考えています。しかし、出会ったこの馬が頑張って
成績を残し、皆さんがこの馬に親しんでくれている。そう思ったら、本当にいい時に、あいつのために
いい道を決めてやるべきだと思ったんですね。これまでとは違う、あいつの新しい道を皆さんも
楽しみにしてくださいという意味で、今年で引退を決めたんです」
「キタサンブラックは北海道の牧場でたまたま見かけて買いました。私の前にもいろんな人が目に
したけど誰も買って行かなかった。不思議なもんです。牧場で馬を見て帰りの車の中で、“あの馬、
何か引っかかるなあ”と思った。それで、“ヨシッ、買おう”と。正直言うと、こんな立派な成績を残す馬に
なるとは思ってもいませんでした。
今までにも、もっといい馬を買ったつもりでいて、走らなかったことは何度もある。この馬も大したこと
ないだろうと思いながら購入したら、どんどんいい方に変わってくれました。今では、皆さんに愛される
馬になった。だから、この馬は神様からの贈り物です」
――サブちゃん、オヤジ、歌謡界の大御所――。演歌歌手の北島は、多くの異名を持ち多方面で
慕われる。引退と言えば、彼自身、2013年の第64回NHK紅白歌合戦で、50回の出場記録を達成し
紅白を勇退。さらに15年1月には公演回数4578回に達した座長公演からも身を引く決断をした。
「ズルズル、ダラダラは好きじゃない。誰かが幕を開けたら、誰かが閉じなくてはならない。ケジメは
ちゃんと付けないといかんなあと、ずっと思っていました。生まれた時からの性格なんです。皆さんに
心配させてしまったり、無様になったりしたら、身を引かなくてはならない。けれど、せっかく、
人様に支えられて花を咲かせてもらったのだから、ちゃんとした花を凛と咲かせているうちにと、
絶えず考えています。
仏教の教えからくる『生かされている』という言葉が好きです。『生きなきゃならない』だと、だんだん
辛くなってきますが、生かされているんだとなれば、大事だと思えるし、その分ちゃんと生きないと
いけないとなる。子どものためにも孫のためにも、生意気だけど、世のためにも、人のためにも、
生きることが大切なんじゃないかなと。そのためには、やはり、誰であっても、ケジメというものが
必要なのではないかと思うんです。
私は紅白に50回出場させてもらいました。その間、時代の流れとともに、紅白も演歌の世界も、
様変わりしました。それならば、ここで一度線を引いてみよう。私が幕を閉じれば、代わりに紅白に
憧れている誰かが出場することも出来る。その人が私の代わりに生かされてくれればよい、
そう考えたのです」