磁気治療器の預託商法を展開し、昨年末に二千億円超の負債を抱えて事実上倒産したジャパンライフ(東京)の関係者が新会社を設立した。
新会社は「売上金は、顧客がジャパンライフに預けた預託金の返済に充てる」として顧客に製品購入や販売への協力を持ち掛けている。
消費者庁の岡村和美長官は不正確な情報を伝えている可能性があるとして「法に従い返金請求に応じるよう行政指導する」と述べ、注意を呼び掛けた。
関係者の話や配布資料によると、新会社は「KEN−SHIN」。ジャパンライフの代理店の代表だった男性二人が会長と社長に就任した。
磁気ベストを「従来価格の五〜八割引きに当たる百万円の新価格で販売する」などとうたい、顧客に購入を求めている。
新会社は説明会を各地で開催。事実上倒産との報道について「誤報だ。事業を継続する」と否定。
一方で「倒産すればお金はほとんど戻ってこない。返済のためにも協力を」と訴えた。
出席した顧客が預託金の行方を尋ねると、会社側は「売上高に計上していた。経費がかかっていた」など、不合理な弁解に終始したという。
新会社はジャパンライフの山口隆祥(たかよし)会長名の「事業計画および返済計画書」も配布。
それによると、今年の年商目標は八十億円で、売上高の半分を返済に充て、三年で計二百八十億円を返金するとしている。
一方、複数の取引先によると、ジャパンライフ側とは十二日時点でいまだに連絡が取れず、
入金も滞ったままになっている。同社が所有していた各地の不動産は、税務署や銀行が差し押さえ手続きを進めている。
ジャパンライフ被害対策中部弁護団長の杉浦英樹弁護士は「返済する姿勢を演じ、捜査の手が及ぶのを免れようとしている」と指摘している。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201801/CK2018011602000164.html