睡眠の「質」高めるには? トラック、寝不足は乗務禁止
トラック協会「寝不足か判断するのは難しい」
6月から睡眠不足のトラックやバスの運転手は乗務できなくなった。事故防止のため、国が事業者に対し乗務前のチェックを義務化したからだ。ただ、運送業界からは「判断が難しい」との声
も。講演会などを通じて、「質の高い睡眠」を求める動きもある。
国は貨物自動車運送事業法などに基づく省令を改め、事業者が運転手を乗務させてはならない項目に「睡眠不足」を新たに盛り込んだ。睡眠不足のまま乗務を許可すれば、運行停止など行政処分
の対象となる可能性がある。ただ、個人差があるため、睡眠時間の具体的な基準は定められていない。
愛知県トラック協会専務理事の小池良さん(69)は「寝不足か判断するのは難しい」と話す。事業者からも「基準が明確でなく困っている」との声も多く寄せられているという。運転手の平均
睡眠時間を把握して目安とすることなどを例示している。
愛知県内で自動車部品などを運ぶ運送会社は、6月1日から乗務前の点呼で睡眠不足の確認を加えた。点呼業務もするトラック運転手の男性(50)は「点呼だけでは分からないときもある。
日常的に顔色や様子を見て声をかけるようにしている」と話す。
この運送会社では、睡眠の質を向上させる研修を今春から始めた。「睡眠不足での運転はあってはならない。ただ、必要な睡眠時間は人によって違い、勤務時間も違うので質も高めたい」と説明
する。年3回予定し、運転手全員140人らを参加させるという。
研修に参加した運転手の男性は、スーパーボールを使って血液の循環をよくするという方法を聞き、実践した。「眠る前に足の裏をほぐしたら次の日は体が軽かった」と話す。
講演したのは一般社団法人「日本快眠協会」(名古屋市中区)。企業向けに睡眠についての研修などをしている。代表の今枝昌子さん(53)は「睡眠不足は病気とも密接に関係する重要な
ことなのに、知識が足りない人が多い」と指摘する。
いかそ
https://www.asahi.com/sp/articles/ASL686FSXL68OIPE038.html