消費増税のうえ、医療費・介護費の負担増が見込まれる日本。一方で、過去最高売り上げのソフトバンクは1円も法人税を払っていない。
金持ちだけがより儲かるこの国、いくらなんでもおかしくないか。
たった62人の大富豪が、世界の半分の富を持つ異常さ
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■社内で株を回し租税回避
「日本はAIにおける開発分野で、完全に後進国になってしまった。このまま目覚めないと、やばいことになる」――。
ソフトバンクG(グループ)主催のイベント「ソフトバンクワールド2019」(7月18日)で、基調講演に登壇した孫正義氏は、こう言って嘆いてみせた。
AIや自動運転など最新の技術がテーマとなったこの講演。「日本企業の戦略は焼き直しばかり」「衰退産業にしがみついている」と
厳しい発言が増えている近ごろの孫氏だが、この日も冒頭のように、日本経済の現状を辛辣な言葉で一刀両断。テクノロジーについては「日本は後進国」と言い切った。
ソフトバンクGは'16年には英半導体大手アーム社を3.3兆円で買収、'18年には主幹事業であった携帯キャリア事業を子会社化した。こうした流れの中でいま、
孫氏がもっとも注力しているのは、SVF(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)なる投資事業だ。
単なる通信サービス企業から、日本最大規模の10兆円を運用する投資ファンドへと変貌を遂げようとしている。
孫氏は同講演で次のようにも語っている。
「『孫さんは日本の会社にちっとも投資していない。何か思いがあるのか』とよく聞かれる。悲しいことに、日本には世界でナンバー1といえるユニコーン
(創業10年以内、評価額10億ドル以上の未上場企業)が少ないのが現実で、投資したくても投資できない」
もはや日本には、投資する価値がある企業がないとすら言う孫氏。カリスマの言葉に同調し、にわかに国内産業の未来を憂い始める向きもあるようだが、それ以前に、私たちが知っておくべき事実がある。
ソフトバンクは国内の投資云々以前に、もっとも大切なおカネを日本に払っていない。それは、莫大な利益に対する「法人税」である。
2018年3月期の決算で、ソフトバンクGの売上高は約9兆1587億円の過去最高額、純利益は1兆390億円を計上していた。
ところが、これほど儲けている企業が、日本の国税に納めた法人税は、なんと「ゼロ」。実質的に1円も払っていないというのだ。
単純計算はできないが、本来であれば1000億円単位の法人税を国に納めていてもおかしくないはずのソフトバンク。孫氏は合法的な「租税回避」を計画し、国税の手を逃れたのだ。
「ポイントになるのは、'16年に買収したアーム社の株式です。ソフトバンクGはこの株式の一部を、グループ内のSVFに移管しました。
この移管で会社側に損失があるわけではないのですが、税務上の処理ではアーム社株の時価評価額が取得価格を1.4兆円下回り、同額の『欠損金』が生じたという計算がなされた。
その結果、ソフトバンクGの'18年3月期決算は税務上、1兆円超の黒字が消えたうえ、赤字扱いになったのです」(税理士の奥村眞吾氏)
■開き直った孫さん
東京国税局は欠損金のうち4000億円は'18年3月期に計上できないと指摘し、ソフトバンクGもこれに応じて修正申告している。それでも、1.4兆円という欠損金の処理額があまりにも大きく、追徴課税は生じなかった。
簡単に言えば、買収した企業の株を社内で売り買いして作った損を計上して、課税利益を作らないようにしている。法の抜け道を利用する形で、公表利益と税務利益がかけ離れた、数字の「マジック」を作り上げたのだ。
「かつて日本IBMが米国の親会社との事業再編における株取引で損を発生させ、法人税の圧縮を目論んだのではないかと国税が指摘し、裁判に発展したことがありました。'16年に判決が出たこの裁判は、IBMの勝訴でした。
今回のソフトバンクGの件のスキームや国税の調査の詳細はわかりませんが、IBM事件のような判例から、海外企業との株取引をうまく使えば節税になるのではないかと判断した可能性があります」
■税務署もどうかしている
■これじゃ日本が終わるよ
以下ソース先で
9/30(月) 15:05
現代ビジネス
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190930-00067498-gendaibiz-bus_all&p=1