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新型コロナで保存食復権、戦略練り直し迫られる食品各社
https://jp.reuters.com/article/covid-food-idJPKBN22209K
[ロンドン 17日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 新型コロナウイルス感染拡大は世界中で狂乱的な買いだめの動きを引き起こし、その結果、見向きもされなくなっていた食品ブランドの人気が復活している。
ロックダウン(都市封鎖)が続く中、消費者はいま、紅茶の「PGティップス」や冷凍スナック「ホットポケッツ」などの確保に躍起となっている。
こうした変化は、ユニリーバ(ULVR.L)(UNA.AS)やネスレ(NESN.S)など大手食品メーカーの首脳に対し、優先的な事業として何に取り組むべきか、課題の見直しを迫っている。
保存食や冷凍食品は、英国をはじめ各地のスーパーの棚からすっかり消え失せ、ロックダウン下の人気の強さが証明された。
市場調査会社ニールセンによると、これらの食品の販売は、長らく伸び悩んでいた昨年までに比べて大きく跳ね上がった。
新型コロナ流行前の世界で、人々がより健康的で加工されていない食品を好んでいたのとは非常に対照的だ。
保存食事業の価値を再評価する、という動きが出る可能性もある。現在約30億ユーロの売上高がある「リプトン」「PGティップス」などのユニリーバの紅茶ブランドは、売却先を決める競争入札を銀行が改めてお膳立てできれば、
もっと熱心な買い手が出現するかもしれない。
一方で投資家側は、どういう事業を売却の対象にすべきか、再検討を促すかもしれない。
ユニリーバのアラン・ジョープ最高経営責任者(CEO)は、「何かを象徴」していないブランドは売り払うと表明してきた。
しかし、(コロナ禍が終息しても)ロックダウンの記憶が残る世界では、冷凍食品や備蓄食品の補充に動く消費行動には「目的がある」と考えることもできるだろう。