自民党県連副会長の板橋一好(いたばしかずよし)県議(81)=小山市・野木町選挙区、13期=が、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体である世界平和連合栃木県連合会の代表を務めていることが2日、分かった。岸田文雄(きしだふみお)首相(自民党総裁)は8月31日、党と旧統一教会との関係を断つと表明したが、板橋氏は下野新聞社の取材に「辞める理由がない」として代表を継続する考えを明らかにした。
板橋氏によると、同連合会の代表は政界引退した自民系の元県議から7、8年前に引き継いだという。自身の選挙の際に、教団側から運動員の派遣を受け街頭演説やポスティングなどを手伝ってもらっていた。小山市内の教団関連施設を年に数回訪れ、県政報告も行っていたという。
板橋氏は教団との関係を絶つと表明した岸田首相の方針を「統一教会を利用した安倍派たたきだ」と批判。党本部から指示があっても教団との関係を継続する意向を示し、「互いに悪いことをしているわけじゃない。家庭連合は認められた宗教団体だ」と主張した。
5月22日には、同連合会主催の「日本とアジアの未来を拓く栃木安保大会」が宇都宮市内で開かれた。約200人が集まったとされ、板橋氏は「議長」として県内自治体の首長や県議らに出席などを要請した。
大会に出席したり祝電を出したりした首長や議員がいたことについては「私の名前で案内を出したから、顔を立ててくれたんだろう」と推測。大会は毎年開いているが、今後の政治家への参加要請については「相手に迷惑をかけるので、控えなければならない」と語った。
板橋氏は県議の当選回数で県政史上最多を誇り、14期目を目指し来春の県議選に立候補する考えを表明している。