
初代ウォークマン価格高騰 「昭和」カセットプレーヤーブーム
「昭和」に浸透したカセットプレーヤーが「令和」の今、人気を集めている。携帯型プレーヤーとして一世を風靡した初代ウォークマンの中古製品の取引価格は、10年前の約5倍に高騰している。価格を抑えたオリジナル製品の売れ行きも好調で、ターゲット世代の中高年層だけでなく、レトロブームが広がる若者らにも浸透しつつある。新型コロナウイルス禍での巣ごもり需要もあり、手間暇のかかる「アナログ感」あふれるカセットプレーヤーの人気は、今後も続くとの見方も出ている。
カセットテープ再生機器は1970年代に本格的に普及しはじめた。ソニーが昭和54年、携帯型カセットプレーヤー「ウォークマン」を発売したことを受け、1980年代に携帯型の利用者が拡大。CDやMD(ミニディスク)の普及などにより一時、下火となったものの、近年はノイズ交じりのアナログ音質のニーズが高まり、人気が復活している。
実際、中古品の売買取引などを実施する「バイセルテクノロジーズ」(東京都新宿区)によると、昭和54年発売のソニーのウォークマンブランド「TPS-L2」は、正常に動くものは5万円以上で取引され、約1万円が相場だった平成24年を大きく上回る。壊れて使えないようなジャンク品でさえ3万円前後となっており、10年前の3千~5千円から跳ね上がっている。
https://www.sankei.com/article/20220905-U64H3ZDB65KOVKBF6YU4NP4J3M/