これに対し、成田さんは「格差をもっと拡大しよう」と述べたことがあります(テレビ朝日「選挙ステーション2021」2021年10月31日放送)。経済指標をつぶさにみると、日本における格差の拡大は他の先進諸国より緩やか、またはほとんど起きていません。むしろ日本人が直面しているのは、格差ではなく、「貧困と成長の不在」という問題である。その解決のためには、「経済格差の是正」は有効ではない、というのです。
厚生労働白書によると、格差の指標である「ジニ係数」(再分配後)は、日本では1999年に0.3814、2021年に0.3813と、今世紀に入ってからほぼ横ばいです。トップ1%の富裕層が国民全体の所得に占める割合もほとんど変化していません(世界不平等データベースによる)。アメリカなどではどちらの格差指標も目に見えて上がっているのと対照的です。
1億総貧困の日本を救うには「格差拡大」を進めるしかない? 経済学者・成田悠輔が「格差是正」に抱く違和感 経済同友会・新浪剛史代表幹事と初対談 #プレジデントオンライン https://president.jp/articles/-/73944