卒業生を訪ねて反安保ビラ渡す 東大阪の市立中女性教員を口頭注意 保護者「行き過ぎでは」
大阪府東大阪市の市立中学校に勤務する60代の女性教員が今春、卒業生宅を訪れ、卒業時に書いた
作文を返却するとともに、安全保障関連法への反対署名を求めるビラを手渡していたことが、分かった。
市教委は「軽率であり、教員の政治的中立性に疑念を抱かせる恐れがある」として口頭で注意し、女性
教員も市教委に「今後は同様の行為を行わない」と陳謝した。市教委によると、女性教員は今年1月、
成人式を迎えた同校の卒業生が開催した学年同窓会に出席。卒業生たちが未来の自分に向けて書いた
「20歳の自分に」と題する作文を返したが、欠席者も多かったため女性教員が後日、欠席者宅を訪れる
ことになった。女性教員は春休みに入った3月下旬から4月にかけ、卒業生約30人の自宅を訪問。この
うち自分が担任を務めるなどし、保護者とも面識があった二十数人の自宅で作文を返却する際、一緒に
安保関連法への反対署名を求めるビラを手渡した。保護者が応対することもあれば、卒業生が受け取った
ケースもあったという。市教委によると、ビラは安保関連法に反対している全日本教職員組合(全教)が
作成したものだった。女性教員によるビラの手渡しは、保護者から市教委に「行き過ぎではないか」と匿名
の電話が寄せられ発覚。女性教員に確認したところ、事実関係を認めた。市教委は女性教員のほか、
監督者として同校校長を口頭注意とした。今回のケースについて市教委は「すでに女性教員と卒業生に
利害関係はなく、ビラも特定の政党を支持するものではなかったが、教員という身分は社会への影響力
があり、政治的中立性について一層の慎重さが求められている」と話している。
http://www.sankei.com/affairs/news/160615/afr1606150011-n1.html